私がカスタムIEMを自作しようとしたきっかけは、手持ちの壊れたTF10PROを再生できないかとインターネットで検索したことでした。
まずTF10PROをリモールド(ドライバだけカスタムIEMに流用すること)するサービスがあると知り、その流れで自作している人のブログやWikiに到達した。
自分でもできるのではと思い挑戦した結果、ドライバを壊してしまい再起不能に・・・
なんとかもう一度挑戦したくて、安く手に入れるべくヤフオクでジャンク品をウォッチしながら機会を待っていました。
一時は19,800円で投げ売りされていたTF10PROも、発売終了後も人気が衰えることなく中古品が2万円後半で取引されています。
コネクタ部が破損したジャンク品がを1万ちょっとで落札することができ、ついにリベンジの機会を得たのでした。
Ultimate Ears TRIPLE.Fi 10 PRO TF10PRO
ロジクール (2009-03-10)
売り上げランキング: 127,234
1.シェルの作成
まずは以前の記事の方法でシェルを作成します。
今回使用したシェルは、ダイソーのUVレジン用染料でブラックにしたのですが、染料の粉がダマのようになってしまったことと、シェルの厚みがすこし厚すぎてあまりいい出来ではありません。
しかしながら他にストックがなかったため使用することに。
2.シェルの穴あけ
シェルに音導管用の穴を開けます。
今回は1つの大きめの穴を開けたあと、外径2mmのシリコンチューブとレジンを使って2mmの穴を2つ成形しました。
リューターで開けた穴に、1.2mmの針金を通したシリコンチューブをセッティングし、レジンを流して固めます。
シリコンチューブを抜くと以下のように。ちょっと気泡が・・・
音質に影響が出ないよう、あとで音導管を差し込んだあとに埋めるようにします。
穴を成形するとともに、シェルの高さあわせ、コネクタ用の切り込みなどを造形します。
3.ドライバの準備
TF10PROを分解して取り出したドライバに、音導管とコネクタを取り付けます。
コネクタは、汎用性を考慮してMMCXにしています。
右下の毛は多分猫のです。たぶん・・・
音導管は2mmの穴に差し込めるよう、内径1mm、外径1.8mmのビニールチューブを使いました。
極細の透明ビニールチューブ イヤホン自作 カスタムIEM用 導管チューブ2種類セット(内径0.5mm+1.0mm)(各1m)[メール便可] |
TF10PROは2つのドライバユニットに2mmほどの段差があります。これを再現するため、高音側は10mm、低音側は1.2mmの長さに揃えました。
2mmの穴に1.8mmのチューブを通すため、当然隙間が空きます。UVレジンを流し込んで隙間を埋めるとともに、音導管を固定します。
さらに、ドライバやコネクタ、基板もレジンでシェルに固定します。
カナルの先端の穴から、音響フィルターを差し込みます。元と違う抵抗値を使ってカスタマイズすることも考えましたが、今回は元のまま赤と緑を使いました。
自作カスタムIEM用 イヤホン自作 チューニング用音響フィルター ばら売り1個単位 Knowles Acoustic Damper サウンド調整フィルター(メール便発送可) |
4.フェイスプレートの作成
ダイソーなどで売っている薄いプラ板をフェイスプレートの形に切り出します。すこし小さめに作るのがコツです。
この上に、3Mのラップフィルムを貼り付け、同じ形に切り抜きます。
3M ラップフィルム1080 BR230ブラッシュドチタニウム
3M
売り上げランキング: 16,542
プラ板をレジンでシェルに貼り付けます。
水平にするため油粘土を土台にしています。
その上にクリアのUVレジンを盛って仕上げます。
なかなかいい仕上がりになったのでは?